思い出すのは倖せそうな笑顔ばかり
『永遠の僕たち』
ガス・ヴァン・サント監督(2011年 米)

死にとり憑かれた少年、見知らぬ人のお葬式に参列、そこで出会うふたり、彼女は会うといつも素敵な笑顔で迎えてくれて超キュート♪…まるで『ハロルドとモード』(1971)みたいなんだけど、今作の少年のお相手はおばあちゃんではなく、ベリィショートで少年みたいな美少女。

『グッド・ウィル・ハンティング』(1997)で大いに感激したのに、それ以降のガス・ヴァン・サント監督作品を殆ど見てなかった。いつも綺麗な男の子が出てくるし、とても気に掛けてはいたんだけど、何故だか。だから、未だに4作しか見てないけど、彼の映画にはとても親しみを感じてしまう。私もまた、死にとり憑かれている者だからかな?母子ともに駄目かも知れないと云われて父を卒倒させ、結局生まれたときは死んでいた(祖母談)らしい。でも、まぁ、お陰様でなんとか母子ともに元気で現在に至るけれど、さいしょにくっついてきた死がずっといる。とても身近で、どうかするとホッとする安堵のようにやさしい存在。この映画の中では幽霊として登場する日本兵みたいに。

折角出会ったけれど、ふたりに残された時間は長くはなかった。だけど、いっしょに過ごした日々の記憶は永遠。だから笑顔できみの思い出を語るよ***そんな素敵な少年を演じたのはデニス・ホッパーの息子。父親の面影が濃過ぎて(特に目!)物語とは別の次元でもうっかりホロリ。見逃さなくて好かったっ♪

[2012.1.18 TOHOシネマズシャンテ(日比谷)にて]

2012年1月21日 記

何が起こっても人は自分のことしか考えられない
『ヒミズ』
園子温監督(2011年 日本)

冒頭に去年の地震と津波でめちゃめちゃになってしまった町が出てきて、否応なしに思い出す。勿論、忘れている筈はないんだけど…。

毎度、劇場予告を見るだけで気分が悪くなってしまい、1作も見てもいないのにずっと嫌いだった監督なので、偶々見た『愛のむきだし』が異常に面白かったからって次からは欠かさず見る!と云うわけもなく、シネ丼の担当さんに促されても、「園子温が苦手だから見ない!」と先週云ったばかりなのに、原作の漫画を知らないから、主役の染谷くんがどうして泥だらけなのかが急に気になって見てしまった。地獄だった。中学生役の主演のふたりはとてもキレイなこころを持っているけれど、共に親が「人でなし」なので捻れた思想を各々が知らず知らずのうちに共有している。やがて、ふたりは追い詰められてゆき…。

震災で、親や借金取りの暴力で、貧困で、世間への得も云われぬ怒りで、人は追い詰められて、不安のなかった時には微塵も想いもしなかったとんでもないことをしでかしてしまい、終いには絶望に追い込まれる。然し、そのとんでもないことを平気で生業にしている人もいる。「どうして?」と想う人がいれば、「何が悪い?」と想う人もいる。世の中は、どうしようもなく「人それぞれ」だった。この映画の配役が見事な適材適所であるように、人はひとりひとり違う。絶望を絶望で終わらせず、希望に変えることができるヒミズたちもいたりする。

映画の後に会った友だちが震災どころではなかったと云う彼女に降りかかった災難を話してくれた。酷い。確かに、本人にしてみたら震災どころじゃない。なので、私はこの映画を見なきゃよかった…と想った。

[2012.1.18 ヒューマントラストシネマ有楽町にて]

2012年1月21日 記
  • 満腹幸福
  • 激ウマ!
  • 病みつき定番(お新香付き)
  • フレッシュ新メニュー
  • おためし吃驚風味
  • イマイチ△
  • 激マズ!

[著者プロフィール]

長島はちまき

大好きな映画監督が亡くなったショックで映画にまつわる想いを書き殴った小冊子を作って以来、「映画好き」の仲間入りに。香港映画を溺愛。成龍(ジャッキー・チェン)とは誕生日と血液型が同じです♪

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