赤ちゃんの体をやさしくマッサージするベビーマッサージ。育児雑誌や書籍、DVDでやり方が紹介されたり、ベビーマッサージ教室が盛況だったりと、昨今ちょっとしたブームになっています。
埼玉県さいたま市でベビーマッサージサロン「MoaMoa Mommy」を主宰する植村理絵さんも、ベビーマッサージ教室でその魅力を実感したひとり。
会社勤めののち、フリーランスの編集者として仕事をしてきた植村さんは2009年1月に長女を出産。娘と一緒に楽しめるものはないかと調べたときに見つけたのがベビーマッサージです。
笑顔で言葉をかけながら、娘の体をゆっくりとやさしく撫で、さする。すると、娘は笑い、おもしろがってはしゃぐ。そんなわが子を見て、ベビーマッサージの効果を実感したと植村さんは言います。
「赤ちゃんは言葉を話せないから、気持ちや意思がこちらに伝わりづらいですよね。それが自分のマッサージで楽しくなっているのが分かる。ベビーマッサージは親子の貴重なコミュニケーション手段なんだと思いました。それをみんなに知ってほしくてベビーマッサージの講師になることにしたんです」
植村さんは約半年間の講義とケーススタディ(実技)をこなし、ロイヤルセラピスト協会認定試験に合格。そして2009年11月、自宅の1階にベビーマッサージサロン「MoaMoa Mommy」をオープンしました。
「マッサージは生まれてすぐの赤ちゃんにもできます。だから、出産前にやり方を覚えておくといいと思い、私の教室では妊婦期の方も対象にしています」
■声をかけながら、歌いながら、赤ちゃんに楽しさを伝える
「MoaMoa Mommy」ではベビーマッサージの教室を2週間に1回開いています。この日は3組の親子が来ていました。
仰向けに寝かせた赤ちゃんのお腹に両手をあて、深呼吸を3回したあと、「○○ちゃん、マッサージはじめるよー。いいかなー」と赤ちゃんに声をかけます。
赤ちゃんの足を交互になでおろしたり、ひざの裏をもって脚をゆすったり、教室で扱うマッサージは14程度。どのマッサージも赤ちゃんの目を見て動きに合わせて声をかけ、「○○ちゃん、○○ちゃん、○○ちゃんのおーひざのマッサージ」と歌いながらマッサージします。
「いっぱい笑いかけながら歌ってあげてください。それから、手だけではなく、体全体を使ってマッサージしてください。そのほうが赤ちゃんに楽しさが伝わりますから」とアドバイスする植村さん。
ご夫婦で来ている受講者もいました。お父さんは人形を相手に真剣にマッサージを行い、講習後は「声をかけながらやるのは恥ずかしかったけど、家でがんばってやってみたいと思います」と話してくれました。
■家族間のコミュニケーション手段
親子の新しいコミュニケーション方法として注目されているベビーマッサージですが、その根底にあるのは親子のスキンシップ。それはおおむかしから世界中で行われていることです。
「ベビーマッサージを勉強する過程でよく聞いたのはウガンダの子どもたちの話です。ウガンダでは、生まれたばかりの子どもをお母さんが1日中抱っこして歌ったり、話しかけたりしているそうです。すると、赤ちゃんがおしっこをしたがっていると肌を通じて母親が感じ取れるようになるんですって。言葉が通じなくても、肌と肌をふれあわせることでお互いの気持ちが通じ合うんですね。それに、ウガンダの赤ちゃんは生後1~2ヵ月で首がすわるなど、日本の赤ちゃんの倍くらいのスピードで発達するんだそうです」
2009年11月に「MoaMoa Mommy」をオープンしてから、これまでに教室を訪れたのは延べ40組ほど。「生まれたばかりのわが子になにをしてあげたらいいのか分からない」「夜泣きが多くて困る」「冷え性をなんとかしてあげたい」など、参加の理由はさまざまです。
「お母さんの手がふれることで赤ちゃんは安心するし、皮膚を刺激するのは脳の発達にもプラスになります。リンパの流れも促すので代謝がよくなったり、冷え症の改善にも役立ちます。また、お母さんにとっては、わが子にしてあげられることがあることで気持ちが楽になるはずです」
ベビーマッサージは赤ちゃんとの間だけではなく、家族のコミュニケーションにも役立つそうです。
「たとえば、下の子が生まれると上の子はどうしても寂しい思いをしますよね。そんなとき上の子にもベビーマッサージをするとすごく喜びます。これは講師仲間から聞いた話ですが、下の子にマッサージをしていたら、小学校1年生のお姉ちゃんが『ママ、私さっきから待ってるんだけど、私にはいつやってくれるの?』って言うんですって(笑)」
お母さんの真似をして上の子が下の子にマッサージをしてあげることもあるそうです。赤ちゃんとお母さんだけでなく、家族間のコミュニケーションも活発になる。それがベビーマッサージの素晴らしいところだと植村さんは考えています。
植村理絵(うえむら・りえ)さん
1969年生まれ、東京都出身。ロイヤルセラピスト協会認定・べビーマッサージ講師。損害保険会社勤務後、編集プロダクションに入社。その後フリーランスの編集者に。出産後、ベビーマッサージ講師資格を取得し、2009年ベビーマッサージサロン「MoaMoa Mommy」をオープン。2010年からは子育て応援サークル「スマイルポット」も主宰。
ベビーマッサージに興味のある方や
ベビーマッサージサロン「MoaMoa Mommy」を詳しく知りたい方は、
下記リンク先をご覧ください。
