古布デザイナー 高村美代子
寒い日と暖かい日の繰り返しにも、春の気配を感じています。
最近、春の浮き立つような気分を表現したいと思ってつくった洋服がいくつかあります。
たとえば「山繭(やままゆ)紬の椿柄チュニック」です。明るくやんわりとした色味と山繭紬のもつやさしい風合いを生かして、ふんわりしたチュニックに仕上げました。配色が鮮やかな裂織の古布からなる「裂織のベスト」も春をイメージしました。裂織はくたびれた着物などを細かく裂いて、緯糸にして織りなおしたものです。私が用いたのは帯を裂織にした古布で、その美しい色を生かして洋服にしました。
他にも奉納旗や布団側、源氏柄の着物など珍しい古布、刺し子生地、結城紬で遊び心のある洋服をつくりました。ぜひご覧ください。
そして今回は、旭川在住の方がおつくりになった古布のバッグをご紹介します。麻の幌を何度も柿渋で染めた独特の風合いに、私はひと目惚れしました。みなさんにもぜひ見ていただきたいと思います。
アトリエ・M (高村美代子)〒254-0034 神奈川県平塚市宝町12-17
営業時間:10:30~18:00
定休:日曜日、年末年始
電話:080-5006-5067
1 山繭(やままゆ)紬の椿柄チュニック
山繭紬という天然素材を使って明るい色合いのチュニックをつくりしました。繭でできていますので、重ね着するとあたたかく、生地が軽いのが特徴です。ギャザーの入った丸みのあるポケットなど、かわいらしい雰囲気に仕上げました。袖丈がやや短い8部袖なので、袖先から下に重ねたものを少し出すとバランス良く着こなせます。
2 絣パッチワークチュニック
いろいろな絣の生地をパッチワークにしたチュニックです。後ろの着丈を長くして、ゆるめにゴムを入れバルーンシルエットになるようにつくりました。サイドから見たときのデザインがとてもかわいいです。個人的にデザインがとても好きなおすすめのチュニックです。
3 ベスト重ね着風チュニック
むかしの着物生地を使って、前から見るとベストを重ねているようなデザインのチュニックをつくりました。衿裏とポケットは、着物生地をパッチワークして付けています。後ろのフレアーをたっぷりとり、ポケットはやや後ろめの位置に配しました。前のボタンをすべてあけて、ロングベストとして着ても素敵です。秋冬でもおつくりしたデザインですが、今回は生地を春らしい明るい色合いに変えました。
4 源氏柄チュニックワンピース
珍しい源氏柄の着物でつくったチュニックワンピースです。ローウエストの位置で切替を入れたので、着るとふんわりしたシルエットになります。小さめのポケットは左右でデザインが違います。ワンピースとして1枚で着てもいいですし、下にスパッツやパンツを重ねてチュニックとして着るのもおすすめです。
5 布団側のチェックパンツ
痛みのほとんどない布団側はとても珍しいので、柄を生かしたパンツをおつくりしました。左側のみ大きめのポケットをあしらっています。ワイドめなラインですが、ウエストがゴムですので、とてもはきやすく動きやすいです。裾はダブルで仕上げています。
6 裂織ベスト
むかしの帯を裂いて織った生地で、襟付きのベストをつくりました。両サイドは縫い留めず、ボタンで留めるようにデザインしました。「白いブラウスとデニム」のようなシンプルな装いに、こちらのベストをプラスしていただくと素敵ですよ。
7 刺し子フード付きロングベスト
白地に黒の糸で刺し子した生地でフード付きのロングベストをつくりました。シルエットはAラインで、後ろは切り替えと大きめにタックを入れてかわいらしく仕上げました。やや下の方の位置にポケットを配し、ポイントになるような黒の大きめのボタンを付けました。
8 奉納旗フード付き春コート
傷みの少ない白地の奉納旗はとても貴重です。こちらは明治35年のもので、大き目のフードをつけた春コートに仕立ててみました。旗のデザインを生かしつつ、いかにも旗だとわからないようにデザインしました。
9 結城紬と麻葉模様の紬のコート
結城紬でコートをおつくりしました。部分的に麻葉柄の生地を入れています。ボタンは2種類の生地の共布のくるみボタンを交互に配しました。横から見ていただくとよくわかりますが、後ろは大きめのボックスプリーツを入れて、ふんわりするようにデザインしています。 前の両サイドはぷっくりするようにデザインしています。小さく斜めに配したポケットもポイントです。
10 柿渋染めバッグ
こちらは北海道・旭川在住の方がおつくりになったバッグです。ある展示会でこのバッグを拝見し、あまりの素敵さに一点だけ 「アトエリエ・M」でお取り扱いさせていただくことになりました。
むかしの麻の幌(ほろ)をくるみで染めた後、柿渋で何回も染め、天日で乾燥を繰り返した生地を使ったバッグです。持ち手は自然の流木を使っています。ざらっとした生地の質感も、柿渋の色ムラも独特の風合いです。
![古布を楽しむ [書き手] 高村美代子](/kofu/img/title.jpg)




































